「新型コロナウィルス感染症」
ってどんな感染症?
「新型コロナウイルス感染症」ってどんな感染症?
主な症状
- 症状 ▶︎症状 ▼
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- 発熱
- せき
- 肺炎
- 鼻水
- 咽頭痛
- 関節痛
- 頭痛
- 倦怠感
- 筋肉痛
- 嗅覚・味覚障害
- 下痢
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、コロナウイルスの一種である「SARS-CoV2」による急性呼吸器感染症です。
2019年12月、中国湖北省武漢市で初めて確認され、その後、WHOにより「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」が宣言されるなど、世界的流行を引き起こしました(2023年5月4日に解除)。
新型コロナウイルス感染症の日本での感染症法上の位置付けは「2類相当」から、2023年5月8日に季節性インフルエンザなどと同じ「5類感染症」に移行しました。
- ■流行の特徴と主な症状
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一般的にウイルスは、流行していく中で少しずつ変異をおこしていくため、一度感染したことがある方やワクチンを接種した方も再感染する可能性があります。また、発症前や無症状病原体保有者でも他人を感染させる可能性があります。
2021年末から主流となったオミクロン株については、感染力が非常に強いものの若者の重症化リスクは低く、
大部分の人は感染しても軽症で1 週間以内に症状が軽快することが多いようです。一方で、高齢者のリスクは引き続き高いといった特性があり、高齢者や基礎疾患がある方など重症化リスクの高い方では引き続き警戒が必要です。
症状の特徴としては、1〜7日の潜伏期間の後、咽頭痛、鼻汁・鼻閉といった上気道症状に加えて、倦怠感、発熱、筋肉痛といった全身症状が現れます。
インフルエンザの症状とよく似ており、症状だけでどの感染症か見分けるのは難しいでしょう。
コロナウイルスの「コロナ」は、ギリシャ語で王冠を意味する言葉が由来となっています。
顕微鏡で見たときに、ウイルスの表面に突起が見られ、かたちが「王冠(crown)」に似ていることからその名がつきました。
コロナウイルスには様々な種類があります。
例えば、ヒトに日常的に感染する風邪の原因となるウイルスもコロナウイルスの仲間で、
4種類のHCoV(ヒューマンコロナウイルス)が確認されています。そのほか、動物から人間に感染し、
重症な肺炎を引き起こすSARS-CoV(サーズコロナウイルス)とMERS-CoV(マーズコロナウイルス)、
SARS-CoV-2があります。
SARS-CoV-2はCOVID-19の原因として、世界中に広まった新型コロナウイルスのことを指します。
どのように感染するの?
- ■主な感染経路
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感染の多くは、くしゃみやせきが原因です。
ウイルスを含んだ飛沫が飛び散り、それを吸い込むことで感染します。
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空気感染は起きていないと考えられるものの、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話するなど一定の環境下であれば、飛沫がなくても感染するリスクがあります。
閉鎖空間において近距離で多くの人と会話するなど一定の環境下であれば、エアロゾルと呼ばれる小さな粒子が空気中に浮遊することになり、それを吸い込むことで感染する可能性があります。
- ウイルスで汚染された手指を介して、目、鼻、口の粘膜から感染することがあります。
ウイルスが付着した物、ドアノブやスイッチなどに触れた手で目、鼻、口に触っても、
感染する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の予防・対策のポイント
感染しない/拡げないために
手洗いを徹底
外出先から帰ったときやマスクを外した後、人と接触したときなど、こまめな手洗いを徹底しましょう。マスクを着用していてもウイルスで汚染した手指で目、鼻、口などに触ると感染する可能性があります。普段からしっかり手を洗う習慣をつけておくことが大切です。流水と石けんで十分に手を洗い、タオルの共用はひかえましょう。
アルコール手指消毒薬も効果があります。
⇒「手洗いの方法」について詳細はこちら
⇒チェックシート「手を洗うタイミング」はこちら

消毒剤の使い方
コロナウイルスはアルコール消毒(70%)で感染力を失うことが知られています。厚生労働省では、手などの皮膚の消毒を行う場合には消毒用アルコール(70%)を、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.05%)が有効としています。
⇒「次亜塩素酸ナトリウム製剤の特徴と注意点」について詳細はこちら
せきエチケット
他人に感染させないために外出時やせき症状のあるときにはマスクをしましょう。マスクをしていないときにせきやくしゃみが出そうになったらティッシュや腕で口や鼻を覆います。使用したティッシュはゴミ箱に捨ててください。
ノンタッチ式ゴミ箱(フットペダル式、開放式)を用意しておくと良いでしょう。
もしも手のひらで口や鼻を覆ってしまったら、すぐに手洗いを。
⇒「マスクの正しい使い方」について詳細はこちら
新型コロナウイルス対策におけるマスク着用について
令和5年3月13日以降、マスクの着用は個人の判断が基本となりました。ただし感染拡大防止対策として、以下のような場面ではマスクの着用が推奨されます。
病院受診時/高齢者施設などを訪問する時/混雑した電車やバスに乗車する時/重症化リスクの高い方が感染拡大時に混雑した場所に行く時など

密閉を避け換気をしましょう
密閉空間にしないよう、こまめな換気を心がけましょう。
2方向の窓を1回、数分程度全開に、毎時2回以上換気しましょう。
窓が1つしかない場合でも、扇風機や換気扇を併用することで換気の効果は上がります。

密集・密接を避ける
人混みに近づいたり、近づいて話しかけることなどは避けましょう。
他の人とは十分な距離(2メートル以上)をとりましょう。
ワクチン接種
2024年10月から自治体による定期接種を実施しています。
対象:65歳以上の高齢者、60〜64歳で対象となる方(※)
※心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
期間:10月1日〜翌年3月31日
費用:原則有料
学校・幼稚園・保育園等では?
発症後5日、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで出席停止
⇒その他注意すべき感染症はこちら
感染者のケアをする場合
施設ではもちろん、自宅で感染者のケアをする時や介護をする人も、感染が広がらないように標準予防策※が必要です。
※標準予防策:感染の有無に関わらず、感染源となりうるものに対して感染の可能性があると想定して対応する方法。
ケアの前後は手洗い
感染予防の基本。流水と石けんで十分に手を洗い、タオルの共用はひかえます。
また、アルコール手指消毒薬も効果があります。
⇒「手洗いの方法」について詳細はこちら
ケア時はマスク・エプロン(ガウン)・手袋の着用
ケアをする時は、マスク・エプロン・手袋を着用し、感染源となるものに直接触れないようにしましょう。
次のものは感染源となる可能性があります。
① 嘔吐物、排泄物(便・尿等)、創傷皮膚、粘膜等
② 血液、体液、分泌物(喀痰・膿等)
③ 使用した器具・器材(注射針・ガーゼ等)
これらに触れる可能性がある時は、必ず手袋を着用して取り扱いましょう。同じ人のケアでも、排泄物や創傷皮膚に触れた後は手袋を交換してください。手袋やエプロンを脱いだ後は、手指消毒が必要です。
⇒マスク・エプロン・手袋、着脱のタイミングと使用方法のチェックシートはこちら
寝具や衣類の洗濯
感染した人が使ったシーツ、タオル、衣類などの消毒は、80℃で10分間以上の熱での消毒、あるいは洗浄後に200〜500ppm(0.02~0.05%)次亜塩素酸ナトリウム※で、30分間つけ置きしてから、家族のものとは別に洗濯します。
次亜塩素酸ナトリウム※は漂白作用があるので、色物・柄物を消毒する際はご注意ください。
室内物品や日用品の消毒
感染した人が使ったトイレの便座や水洗レバー、ドアノブ、また室内のドアノブ、手すりなど手が触れる場所には、アルコール清拭をします。病院の院内感染対策では、人工呼吸器などの医療器具の消毒や手洗いを徹底することも重要とされています。家庭でも介護をする際には、ケアで使用する・した物品の消毒を行いましょう。
新型コロナウイルス感染症に効果的な消毒
アルコールと0.05%次亜塩素酸ナトリウム、または市販の家庭用洗剤の主成分である「界面活性剤」も一部有効です
※次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水は、素材により金属腐食性があるので「使用上の注意」の確認が必要です。また、次亜塩素酸ナトリウムは、酸性の洗浄・漂⽩剤、シアヌール酸系の製品と混合すると塩素ガスが発⽣して危険ですので、注意してご使⽤ください。
⇒「次亜塩素酸ナトリウム製剤の特徴と注意点」について詳細はこちら
FAQ
コロナウイルス感染症はどうやってうつるの?
感染した人の口や鼻、せき、くしゃみ、会話などから排出されるウイルスを含む飛沫、またはエアロゾルと呼ばれるさらに小さな状態の粒子を吸入することで感染します。物や指についたウイルスが目、鼻、口に接触することで感染することもあります。手洗いの実施や適切な消毒を行いましょう。
「陽性」の場合、どれくらい外出を控えたらよいですか?
新型コロナウイルスは2023年5月8日に5類感染症に以降し、法律に基づく外出自粛はなくなりました。しかし、発症後5日間かつ症状が軽快して24時間程度は他人に感染させるリスクが高いことから、外出を控えることが推奨されます。また、10日間が経過するまではマスクを着用し、重症化リスクの高い人との接触を避けるなど周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
世話をする同居の家族もできるだけマスクを着用し、ご自身の体調に注意しましょう。
(参考)国立感染症研究所のデータによれば、感染力のあるウイルスを排出する患者の割合は、症状が続いている患者も含め、発症日を0日目として8日目(7日間経過後)で15%程度、11日目(10日間経過後)で4%程度となります。
妊婦は重症化しやすいですか?
基礎疾患を持たない場合には、同年代の妊娠していない女性と変わらないとされています。しかし妊娠後期に感染すると、早産率が高まり、患者本人も一部は重症化することが報告されています。高齢の妊娠や肥満、高血圧、糖尿病など、重症化しやすいリスク因子を持つ方は特に人混みを避ける、こまめに手を洗うなど感染予防に注意しましょう。
なお、妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方は、ワクチンの接種勧奨の対象となっています。
(参考)妊娠中等の新型コロナワクチン接種についてのQ&A
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0027.html
新型コロナウイルス感染症まとめ
https://www.m-ipc.jp/pickup/corona/
関連情報(下記サイトを参考・編集し作成)
- 国立感染症研究所:コロナウイルスとは
- https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html
- 国立感染症研究所:IDWR 2020年第7号<注目すべき感染症>
新型コロナウイルス感染症(COVID-19) - https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2487-idsc/idwr-topic/9446-idwrc-2007.html
- 厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
- 厚生労働省検疫所FORTH 新型コロナウイルス感染症
- https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/newpage_00035.html
- 国立感染症研究所:新型コロナウイルス感染症に対する感染管理(2020年3月19日改訂版)
- https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/2019nCoV-01-200319.pdf
- 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第10.1版
- https://www.mhlw.go.jp/content/001248424.pdf
- 厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q5
作成日:2024年12月