研修を通じて
感染対策への意識が
高まった

特別養護老人ホームいのこの里
医務室主任(看護師)
元田 ひろ子
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特別養護老人ホームは、日常的に介護を必要とする高齢者のための施設です。ボランティアや家族の訪問も多く、ケアに携わるスタッフの職種も様々。人の出入りが多いので、入居者が感染症にかからないよう、細心の注意が必要になります。

医務室主任として入居者のケアに携わる元田ひろ子氏に、いのこの里における感染対策について伺いました。

入居者の生活の場に、
感染リスクを持ち込まない

いのこの里はどのような施設ですか?
「吹田市内に誰もが入りたくなる特別養護老人ホームをつくろう」という住民運動の声に応えて2000年11月に開設した特別養護老人ホームが、いのこの里です。定員は80人で、100歳以上の方が10%おられます。デイサービスやショートステイにも対応しています。
ケアを担当する多職種のスタッフ、清掃や園芸などのボランティア、ご家族やお友達も含めて、ホームに出入りする人がたいへん多く、その分、外から感染症の感染源が持ち込まれるリスクが高いです。
入居者は全員が高齢者で、免疫力が低く感染症にかかりやすい、かかったら重症化する場合があります。ホーム内で集団感染を起こしたら大変なことになりますから、感染対策には気を遣います。
施設内の感染対策は
どのように決めているのですか?
感染対策を統括しているのは「感染症予防対策委員会」です。メンバーは施設長、看護師、生活相談員、介護支援専門員、介護職員で、私(看護師)も委員会のメンバーです。毎月開催する「感染症予防対策委員会」では、外部で受けてきた研修の内容の伝達や、感染症対策の啓発方法の検討などをおこなっています。施設内で感染症が流行するきざしがあれば、委員会を緊急開催して対応策を話し合い、流行が広がらないように努めています。

スタッフ全員で感染対策を実践

感染対策について具体的に教えてください。
病院ではありませんので、特別な設備や機器はありません。感染対策としては、マスクを常備しておくのはもちろんのこと、施設の入口に手指消毒器を置いてこまめに消毒をおこなったり、屋内には加湿空気清浄器を設置して部屋の乾燥を防いだりしています。
職員自身が感染源を持ち込まないよう、出勤時には必ず検温し、体調をチェックしています。外部から面会に来られる方に対しても、ポスターで感染対策が重要であることをアピールし、手洗い・うがい・マスクの着用をお願いしています。面会に来られた方の体調が悪ければ、面会を遠慮していただくこともあります。
介護スタッフへの教育・研修は
どのようにしていますか?
入居者にとってホームは生活の場です。清潔な環境で安心して過ごしていただくためにも、介護スタッフへの感染対策の教育・研修は極めて重要だと考えています。ふだんから介護スタッフとコミュニケーションをよくしておき、話しやすい関係を作っておくことが大切です。
介護スタッフには、感染対策を怠ったら自分が感染源になってしまいかねないという意識を持ってもらいます。まずは手洗いを徹底して行い、ケア後は都度手洗いをする「ワンケア・ワン手洗い」を心がけています。手洗いの重要性を伝えるため、ブラックライトを用いて洗い残しを見る機会を作り、職員同士で評価しています。排泄物の処理を行うときのガウンテクニックの研修も繰り返し行っています。
介護スタッフ間で他にもルールがありますか?
手すりやドアノブなど多くの人の手が触れる面は重点的に清掃する、洗面所や浴室など水回りの乾燥を図るなどは、特に重視しています。他にも、使用済みの紙オムツのゴミはエレベーターを使わず外階段を使って搬出する、汚染した寝具などはビニール袋に入れた上で「感染」の表示をする、などを全スタッフが行います。年2回は全体で研修会を行い、周知を図っています。

専門家から知恵を吸収、
レベルアップ図る

ICNの訪問や研修を通じて
変化はありましたか?
私たちの施設は2016年にICNの訪問指導(ラウンド)を受けました。指導や研修を通じて、私を含めてスタッフの感染管理に対する意識が少しずつ変わってきました。他施設を見学する機会をいただき、自分の施設と照らし合わせながら情報交換ができたこともたいへん有益でした。
入居者が歯磨きのときに使うプラスチックカップは、洗面台に置いたままにせずフックにかけて乾燥させる、ノロウイルス感染者の嘔吐物処理に必要な用具(手袋、エプロン、シューズカバー、ペーパータオル、ビニール袋など)をまとめて決められた場所に置く、など、できることから一つひとつ実行しています。これからも医療と福祉、看護と介護が協力しながら、感染対策を進めていきたいと思っています。

(取材時期:2019年11月)

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