予防接種を
受ける
タイミングと
注意
- TOP >
- Pick Up感染対策 >
- 予防接種を受けるタイミングと注意
感染対策の一つに、予防接種(ワクチン接種)があります。
予防接種をしておけば、免疫がつくられ、感染症の発症もしくは重症化を予防することができます。
また予防接種を受けた本人を守るだけではなく、
家族などへの感染・集団感染の阻止など周りの人たちを守ることにもつながります。
いつ、どんなワクチンを打つ必要があるのか、接種の決まりごとやスケジュールを把握しておきましょう。
最近あった
予防接種の規定変更
1.HPVワクチンのキャッチアップ接種
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の定期接種を逃した女性
(1997年4月2日~2008年4月1日生まれ)を対象にした、
キャッチアップ接種の期間が延長されています。2022年4月~2025年3月末までに
HPVワクチンを1回以上接種した方が公費による接種を希望する場合は、
2026年3月末までに2回目・3回目のワクチンを無料で接種できます。
2026年3月末で終了予定です。
2.五種混合ワクチンの導入
これまで別々に接種されていた「Hibワクチン」と
「四種混合ワクチン(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)」が、
2024年4月より一体型の「五種混合ワクチン」として定期接種化されました。
対象は生後2か月以上生後90か月(7歳6か月)未満で、かつ4種混合ワクチン及びHibワクチンを
それぞれ1回も接種したことがない小児です。
より少ない回数で効率的に予防が可能になります。
3.新型コロナウイルスワクチンの接種状況
2024年3月31日で全額公費による接種は終了し、4月以降は任意接種となりました。
毎年度秋冬に自治体による原則有料の定期接種を実施しています。
>詳しくは厚生労働省ホームページをご覧ください。
4.RSウイルスワクチンの接種状況
2023年1月より妊娠24週~36週の妊婦を対象としたファイザー株式会社のRSウイルスワクチンが
承認され、医療機関で接種が可能になりました。
同年、9月には60歳以上を対象としたグラクソ・スミスクライン株式会社のRSウイルスワクチンが承認され、
医療機関で接種が可能になりました。
5.予防接種の間隔が変更に
異なる種類のワクチンを接種する際に「注射生ワクチン」同士の接種間隔のみ
27日以上の間隔をあけることが義務付けられ、
それ以外のワクチンについては接種間隔の制限が撤廃されました。
※同じ種類のワクチンの接種を複数回受ける場合にはワクチンごとに
決められた間隔を守る必要があります。
6.ロタウイルスワクチンが定期接種化
2020年8月1日以降に生まれたお子さんが公費で無料になります。
生後6週0日後から接種可能で、初回接種は生後14週6日までに
完了させることを推奨しています。
予防接種の種類
予防接種には、法律で接種することが勧められている「定期接種」と、希望者が各自で受ける「任意接種」があります。
定期接種は、接種を受けることができる対象者(種類・年齢・期限)がワクチンごとに決められています。
定期接種は、目的に応じて「A類疾病」と「B類疾病」に分かれます。
- ・A類疾病(集団予防)
- 主に集団予防や重篤な疾患の予防に重点を置いています。
国が接種を積極的に勧めており、対象者全員が受けるべき予防接種です。
期間内にお住まいの市町村内で受ける場合、全額公費負担(自己負担なし)で受けられます。
- ・B類疾病(個人予防)
- 個人の発病または重症化の予防に重点を置いています。
本人が希望する場合に接種され、予防接種を受ける努力義務はありません。
費用の一部に公費負担がある場合があります(自治体により異なります)。
- A類疾病
-
- ●ジフテリア(*1)
- ●百日せき(*1)
- ●破傷風(*1)
- ●急性灰白髄炎(ポリオ)
(*1) - ●麻しん(*2)
- ●風しん(*2)
- ●日本脳炎
- ●結核
- ●Hib(ヒブ)感染症
(*1) - ●小児の肺炎球菌感染症
- ●水痘
- ●B型肝炎
- ●ロタウイルス感染症
- ●ヒトパピローマウイルス感染症
(*1)これらの5つの疾病は、2024(令和6)年度より、第1期では5種混合(DPT-IPV-Hib)ワクチンとして一度に接種できます。また、第2期では、ジフテリアと破傷風のワクチンをDTワクチンとして一度に接種できます。
(*2)麻しん、風しんは、MRワクチンとして一度に接種できます。
- B類疾病〔接種努力義務はありません〕
-
- ●季節性インフルエンザ(*1)
- ●新型コロナウイルス感染症
- ●高齢者の肺炎球菌感染症(*2)
- ●帯状疱疹
(*1)65歳以上、または60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方は定期接種の対象となります。
(*2)高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンについては、2023年度までは、該当する年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方と、60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方は定期接種の対象となります。
小児の予防接種スケジュール表
令和7年現在
※クリックすると拡大できます/令和7年現在
予防接種、前と後の注意点
予防接種
以下に該当する場合は、予防接種を受けることができません。事前にチェックしましょう。
- 発熱している(通常37.5℃以上)
- 重篤な急性疾患にかかっている
- その日に受ける予防接種の接種液に含まれる成分で、アナフィラキシーショック(呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応のこと)を起こしたことがある
- 生ワクチン(麻しん、風しん、水痘、流行性耳鼻下腺炎、BCGなど)を接種して27日以内
- BCG接種においては、外傷などによるケロイドが認められる
- 妊娠中の、麻しん、風しん、水痘、おたふくかぜワクチン
- その他、医師が不適当な状態と判断した時
予防接種
まれに予防接種直後に、副反応が起こることがあります。接種後は、しばらく安静にし、体調に変わりがないことを確認してから帰宅しましょう。医療機関内にいればすぐ対応することができます。何か気になる症状があれば、接種した医療機関の医師に相談してください。なお、万が一、予防接種のワクチンにより健康被害が生じた場合に備え、健康被害救済制度があります。
- 副反応例
-
- ●発熱
- ●接種した部分の痛み・腫れ
- ●頭痛、アレルギー反応(アナフィラキシーショックなど)
- ●血管迷走神経反射(失神)
成人向けの予防接種について
成人も年齢や体調に応じて予防接種が推奨されます。以下のワクチンが代表的です。
- ・肺炎球菌ワクチン(65歳以上対象の定期接種)
- ・帯状疱疹ワクチン(50歳以上推奨・任意接種)
- ・麻しん、風しんワクチン(抗体価が低い場合)
特に、風しんは妊婦に感染すると胎児への影響があるため、妊娠を予定している女性や
そのパートナーの抗体検査・接種も推奨されています。
妊娠・妊活中の方への
ワクチンガイド
妊娠中や妊娠を希望している方にとって、安全な予防接種は非常に重要です。
- ・妊娠前に推奨されるワクチン:麻しん、風しん、水痘など(妊娠中は接種不可)
- ・妊娠中に接種が可能なワクチン:インフルエンザ、不活化ワクチン(場合によりコロナワクチン)
※妊娠中は生ワクチンを避ける必要があります。事前に医師に相談しましょう。
海外渡航前の予防接種
- 留学、出張、旅行などで海外に渡航する場合、感染症予防のために追加のワクチンが必要になることがあります。
例:黄熱、日本脳炎、A型肝炎、狂犬病など - 渡航国によっては「イエローカード(黄熱接種証明書)」が必要です。出発の1か月以上前に医師と接種スケジュールを相談しましょう。
予防接種Q&A
なぜ生後2か月から予防接種が必要になるの?
赤ちゃんは生後5~6か月までは、母親からもらった免疫などによって、多くの細菌やウイルスなどの感染から守られています。しかし、その免疫が落ち始めると感染症にかかりやすくなり、重症化や時には命にかかわることもあります。その時期に感染対策の効果を発揮するために生後2か月になったら、すぐに予防接種を開始することがとても重要です。
赤ちゃんは1歳までに接種すべきワクチンも多いため、受ける順番や時期については、同時接種も選択肢の一つとして、かかりつけ医と相談しながらスケジュールを決めましょう。体調不良などで、スケジュール通りに受けられなかった場合は、医療機関で早めに再調整をしましょう。
接種を受けそびれてしまったら?
受け忘れに気づいたら、気付いた時点でかかりつけ医に相談し「すぐに接種する」が原則です。原則として、推奨時期を外れると定期接種であっても、費用は自己負担になります。ただし、接種期間の延長などを認めてくれる自治体もあるので、自治体の担当部署や保健所、かかりつけの小児科医などに相談してみるとよいでしょう。
子どもの予防接種後に気をつけることは?
予防接種後は、発熱や注射した部位の腫れ・痛みなどが起こることがありますが、多くは短期間で治るものです。思春期のお子さんの場合、注射への恐怖心が強く極度に緊張していたり、疲れていたりするときに、痛み、不安などから接種後に気を失って倒れる(血管迷走神経反射)が起こる場合があります。この場合には横になって寝ていると回復します。保護者の方は、顔色など子どもの様子をよく見ておいてあげてください。
また、ごく稀に起こる重い副反応としては「アナフィラキシーショック」があります。これは接種後30分以内に起こることが多いので、接種後は、しばらく安静にし、体調に変わりがないことを確認してから帰宅しましょう。異変があればすぐに医師に伝えましょう。
大人になると予防接種はいらない?
大人になっても予防接種は大切です。
例えば、インフルエンザは毎年冬に流行します。行動範囲が広く、感染症にかかると仕事や家族に影響が及ぶ可能性があるため、流行前の接種が望ましいとされています。麻しん、風しん、日本脳炎、百日咳では、子どものころに受けた予防接種でできた免疫が大人になって弱くなってくることが分かってきています。大人になってから任意で追加接種を行うこともできます。
必要に応じて検討しましょう。
任意接種は受けなくてもよいの?
日本では予防接種法により、接種することが勧奨されている「定期予防接種」のワクチンが定められており、その他のワクチンについては「任意接種」とされています。
任意接種には、「個人が感染症にかかったり重症になるのを防ぐために受ける予防接種」「定期接種を受けそびれたり、受ける機会がなかった方が、対象年齢以外で受ける予防接種」(流行を防ぐために、行政から受けることを推奨している場合も)「免疫の弱い方に接する機会がある方などが、周囲の方の感染を防ぐために受ける予防接種」などが含まれます。任意接種は制度上自己負担ですが、任意だから重要度が低いわけではありません。できれば受けた方がいいでしょう。
自然感染したほうが免疫はつくのでは?
自然にかかった場合に、強い免疫を獲得できることもありますが、一方で、合併症や後遺症になるリスクが高くなります。また自分が病気にかかることで周囲にうつしてしまう可能性があるため、予防接種で予防することが望ましいです。
予防接種を同時に受けても大丈夫?
医師の判断のもとで、安全に複数のワクチンを同時接種することが可能です。
副反応が心配です。何かあったときはどうすれば?
副反応は多くの場合軽微ですが、稀に「アナフィラキシーショック」などの重篤な副反応が起こる可能性があります。接種直後は医療機関で15〜30分程度の経過観察を行い、その後も体調の変化に注意を払うようにしましょう。接種後に体調の変化や気になる症状があれば、まずは速やかに予防接種を受けた医療機関を受診してください。
途中までしか接種していません。再開できますか?
接種間隔が空いても、途中から再開が可能です。中断したからといって効果がなくなるわけではありません。









