掃除・消毒の方法と注意点 消毒薬研究の第一人者(薬学教授)監修の正しい感染対策方法をチェックしましょう

  1. TOP > 
  2. Pick Up感染対策 > 
  3. 身の回りの清掃・消毒 からだの消毒 > 
  4. トイレ・風呂場などの水まわり

toilet and bath room トイレ・風呂場などの水まわり

温かく湿った環境での微生物繁殖や、排泄物や嘔吐物からの接触感染に注意して、
適切なタイミングで消毒を行いましょう。

便座の消毒方法

消毒用エタノール

消毒用エタノールは、
洗浄殺菌作用などが
あるためトイレ掃除に
役立ちます。
また、次亜塩素酸ナトリウムに比べて臭気が少なく、プラスチック劣化作用
が小さいので、便座の消毒に適しています。
二度拭き(一度拭いてから15秒間ほど経った後に再び拭き取る)を行えば、
ノロウイルス汚染にも対応1-7)できます。
エタノール製剤については添加物の違いにより効果に様々な報告があります7)

消毒用エタノールは、殺菌、消毒作用のほかに、油を溶かす性質や消臭効果があるため、ドアノブ、トイレットペーパーホルダー、便座や水洗のレバー、温水スイッチなどの拭き取りにも適しています。揮発性なので、水洗いは必要ありません。手荒れを防ぐため、使用する際にはゴム手袋を着用すると良いでしょう。拭き取り後は、換気をしましょう。

※「消毒用エタノール」は、第3類医薬品または指定医薬部外品の表示があるものを選びましょう(エタノールを76.9~81.4vol%含有する旨の表示がある製品)。
 > 消毒に使用するアルコールについて詳しくはこちら

歯ブラシの洗浄・管理方法

歯ブラシは洗浄や乾燥が行いにくく、緑膿菌やAcinetobacter baumannii(アシネトバクター)などによる微生物汚染を受けやすいです。健康な人が感染することは稀ですが、がんなどの病気の治療中で抵抗力が落ちている人や高齢者の方などは注意が必要です。実際に、血液内科の患者様や老人保健施設の入居者様が使用していた歯ブラシを調べたところ、42本中7本(16.7%)が緑膿菌汚染を受けていました。

もみ洗い

歯を磨いた後の歯ブラシには、細菌がたくさん付着しています。水で軽く流しただけでは歯ブラシについた汚れ(菌)は落とせません。食べかすなどが残らないように、ブラシ部分をよくもみ洗いすること、そして乾燥させることが大切です。歯ブラシ使用者以外の人が管理する場合は、ゴム手袋などをして行いましょう。

十分な乾燥

歯ブラシを2本用意して、1日おきに使用することや、水分を除去し、風通しの良い場所に歯ブラシを置くようにし、使用後はしっかり乾燥させましょう。洗面所を共同で使っている場合には、うがいの水のハネ、歯ブラシの保管にも気をつけ、他の歯ブラシと毛先がくっつかないようにしましょう。

洗面器の消毒方法

次亜塩素酸ナトリウム

入浴時に用いる洗面器は微生物汚染を受けやすくなっています。本来なら個人ごとに用意することが望ましいのですが、家庭では難しい場合もあるでしょう。そのような場合には、家庭用の掃除用洗剤でよく洗いましょう。さらに感染の心配がある場合には、汚れを落とした後で、次亜塩素酸ナトリウム液をかけるか、キッチンペーパーに消毒液を含ませて拭き取りましょう。その後、流水で、薬剤が残らないように十分にすすぎましょう。手指保護のため、手袋を着用しましょう。
 > 次亜塩素酸ナトリウム製剤の特徴と注意点はこちら

なお、掃除に使ったスポンジにも菌がついている可能性があります。スポンジ
の消毒には、80℃のお湯に10分間つける、または
次亜塩素酸ナトリウム液
に10分間つけるなどの方法
があります。

両性界面活性剤、ベンザルコニウム塩化物

0.2%両性界面活性剤や0.2%ベンザルコニウム塩化物で拭き取り、消毒を行いましょう。

湿潤環境の消毒方法

流し台・洗面台はグラム陰性桿菌(緑膿菌、セラチア等)や真菌が定着しやすいため、日頃からよく清掃し乾燥させておくことが大切です。また、定期的に清拭(せいしき)消毒をするとよいでしょう。掃除に使用するスポンジは、定期的に交換して使用しましょう。

次亜塩素酸ナトリウム

清掃をした後、十分に乾燥させた後、グラム陰性桿菌や真菌に有効なアルコール製剤や0.02~0.05%次亜塩素酸ナトリウムで拭き取り、感染の危険度が高いと判断した場合は消毒を行いましょう。
 > 次亜塩素酸ナトリウム製剤の特徴と注意点はこちら

両性界面活性剤、ベンザルコニウム塩化物

浴槽や沐浴槽とその周囲は、ベンザルコニウム塩化物や両性界面活性剤を使用し、消毒を行いましょう。
ガーゼやスポンジなどに原液(10%)をつけてこすっても差し支えありません。

参考資料
1) Belliot G, et al: Use of murine norovirus as a surrogate to evaluate resistance of human norovirus to disinfectants. Appl Environ Microbiol, 74: 3315-3318, 2008【IC21433】
2) 清水優子,他: ヒトノロウイルスの代替としてマウスノロウイルスを用いた消毒薬による不活化効果. 環境感染, 24: 388-394, 2009【IC18608】
3) 大久保憲, 他:2020年版 消毒と滅菌のガイドライン. へるす出版, pp108-109, 2020
4) Shimizu-OndaY, et al: The virucidal effect against murine norovirus and feline calicivirus as surrogates for human norovirus by ethanol-based sanitizers. J Infect Chemother, 19: 779-781, 2013
5) Zonta W, et al: Comparative virucidal efficacy of seven disinfectants against murine norovirus and Feline calicivirus, surrogates of human norovirus. Food Environ Virol, 8: 1-12, 2016
6) Division of viral diseases, national center for immunization and respiratory diseases, centers for disease control and prevention: Updated norovirus outbreak management and disease prevention guidelines. MMWR Recomm Rep, 60: 1-18, 2011【IC20586】
7) 岡本 一毅, 他: アルコール消毒薬のノンエンベロープウイルスに対する有効性改善策. 環境感染, 25: 68-71, 2010【IC19030】
・厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
・栃木市役所「消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページより)」
https://www.city.tochigi.lg.jp/site/covid19/28620.html
・一般社団法人 日本化学工業協会「消毒用エタノール」(https://www.nikkakyo.org/system/files/chumoku281%20.pdf
・厚生労働省「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html
・厚生労働省「重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou05/06-07-25-01.html
・厚生労働省「ご家族に新型コロナウイルス感染が疑われる場合 家庭内でご注意いただきたいこと ~8つのポイント~」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601721.pdf

- 記事をシェアする -

  • Facebook
  • X
  • LINE
  1. 一覧に戻る

ページトップへ戻る