「手指衛生啓発」をデザインの視点から 産学連携プロジェクト 京都芸術大学

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  3. 消毒薬の選び方

家や施設に何種類の消毒薬がありますか?
消毒薬を清掃時に使用する場合でも、物や材質にあわせて変える必要があります。
消毒するものから、消毒薬を選んでみましょう。

使用可能な消毒薬は?消毒薬×対象物

消毒したい対象物(適用範囲)を選んでください

人体
  • 手指
  • 創傷部位
  • 口腔
器具
  • 金属
  • 非金属
環境
  • 床・壁 など
  • 高頻度接触面(ドアノブ・手すりなど)

手指に使用できる消毒薬

中水準消毒薬のエタノールイソプロパノールポビドンヨード(ヨードホール)や、低水準消毒薬のクロルヘキシジングルコン酸塩第4級アンモニウム系(ベンゼトニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物)両性界面活性剤(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩)を含有する
消毒薬が使用できます。
製品の成分表をチェックしてみましょう。

ポイント

目に見える汚れのある場合は、まず流水と石けんで手洗いしましょう。

※中水準消毒薬の次亜塩素酸ナトリウムは、皮膚荒れ等の問題があり皮膚に常用できません。

※これらの消毒薬はいずれも細菌に有効ですが、低水準消毒薬は一部の薬剤耐性菌(MRSA)やウイルスには充分な効果が得られないことがあります。詳細は「微生物×消毒成分」の表をご参照ください。

創傷部位に使用できる消毒薬

創傷部位は、「洗浄」のみ行い、基本的に消毒は行いません。
※数か月経っても治らない創傷は、必要に応じて消毒する場合がありますので、
皮膚科を受診しましょう。

ポイント

まず生理食塩水や水を用いて、創をしっかりと洗浄しましょう。

口腔に使用できる消毒薬

中水準消毒薬のポビドンヨード(ヨードホール)、低水準消毒薬の第4級アンモニウム系(ベンゼトニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物)を含有する消毒薬が使用できます。
製品の成分表をチェックしてみましょう。

※中水準消毒薬の次亜塩素酸ナトリウムは、歯科用や手術時に口腔等の粘膜に使用されることがありますが、日常的なうがいや粘膜には使用しません。

※これらの消毒薬はいずれも細菌に有効ですが、低水準消毒薬は一部の薬剤耐性菌(MRSA)やウイルスには充分な効果が得られないことがあります。詳細は「微生物×消毒成分」の表をご参照ください。

金属に使用できる消毒薬

中水準消毒薬のエタノールイソプロパノール、低水準消毒薬のクロルヘキシジングルコン酸塩第4級アンモニウム系(ベンゼトニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物)両性界面活性剤(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩)を含有する消毒薬が使用できます。
製品の成分表をチェックしてみましょう。

ポイント

血液・体液・排泄物など、見える汚れが付いている場合は、まず洗浄剤と水で洗浄しましょう。

※中水準消毒薬の次亜塩素酸ナトリウムは、金属腐食性があるため通常使用しません。

※これらの消毒薬はいずれも細菌に有効ですが、低水準消毒薬は一部の薬剤耐性菌(MRSA)やウイルスには充分な効果が得られないことがあります。詳細は「微生物×消毒成分」の表をご参照ください。

非金属に使用できる消毒薬

中水準消毒薬の次亜塩素酸ナトリウム※1エタノールイソプロパノール、低水準消毒薬のクロルヘキシジングルコン酸塩第4級アンモニウム系(ベンゼトニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物)両性界面活性剤(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩)を含有する消毒薬が使用できます。
製品の成分表をチェックしてみましょう。

ポイント

血液・体液・排泄物など、見える汚れが付いている場合は、まず洗浄剤と水で洗浄しましょう。

※1 次亜塩素酸ナトリウムは消毒対象物を劣化させる場合があるので、製品の説明書(添付文書)に従ってご使用ください。

※これらの消毒薬はいずれも細菌に有効ですが、特に、低水準消毒薬は一部の薬剤耐性菌(MRSA)やウイルスには充分な効果が得られないことがあります。詳細は「微生物×消毒成分」の表をご参照ください。

床・壁などに使用できる消毒薬

中水準消毒薬の次亜塩素酸ナトリウム※1エタノール※2イソプロパノール※2、低水準消毒薬のクロルヘキシジングルコン酸塩第4級アンモニウム系(ベンゼトニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物)両性界面活性剤(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩)を含有する消毒薬が使用できます。
製品の成分表をチェックしてみましょう。

ポイント

血液・体液・排泄物など、見える汚れが付いている場合は、まず洗浄剤と水で洗浄しましょう。

※1 次亜塩素酸ナトリウムは消毒対象物を劣化させる場合があるので、製品の説明書(添付文書)に従ってご使用ください。

※2 エタノール、イソプロパノールは狭い範囲の床や壁の拭き取りに使用できる場合がありますが、消毒対象物を劣化させる場合があります。製品の説明書(添付文書)に従ってご使用ください。

※これらの消毒薬はいずれも細菌に有効ですが、低水準消毒薬は一部の薬剤耐性菌(MRSA)やウイルスには充分な効果が得られないことがあります。詳細は「微生物×消毒成分」の表をご参照ください。

高頻度接触面に使用できる消毒薬

中水準消毒薬の次亜塩素酸ナトリウム※1エタノール※1イソプロパノール※1、低水準消毒薬のクロルヘキシジングルコン酸塩第4級アンモニウム系(ベンゼトニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物)両性界面活性剤(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩)を含有する消毒薬が使用できます。
製品の成分表をチェックしてみましょう。

ポイント

血液・体液・排泄物など、見える汚れが付いている場合は、まず洗浄剤と水で洗浄しましょう。

※1 次亜塩素酸ナトリウム、エタノール、イソプロパノールは消毒対象物を劣化させる場合があるので、製品の説明書(添付文書)に従ってご使用ください。

※これらの消毒薬はいずれも一般的な細菌に有効ですが、低水準消毒薬は薬剤耐性菌(MRSA)やウイルスには充分な効果が得られないことがあります。詳細は「微生物×消毒成分」の表をご参照ください。

消毒薬を選んだら、正しい方法で消毒しましょう。
消毒方法はこちらから

身の回りの清掃・消毒 からだの消毒

消毒薬の水準と適用範囲

消毒薬の種類がわかっている場合は、
使える対象物(適用範囲)を下の表から確認しましょう。
一般家庭や高齢者施設では、
低水準~中水準を使用します。

  • … 適用可
  • … 注意が必要
  • … 不適
消毒効果
レベル
適用範囲 特徴と注意点
器具
人体
環境
低水準
  • ・クロルヘキシジングルコン酸塩
  • ・ベンザルコニウム塩化物
  • ・ベンゼトニウム塩化物
  • ・アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩
粘膜に
使用不適
な場合も
ある
  • ほとんどの栄養型細菌、一部のウイルス、一部の真菌を殺滅する。
  • 綿球などに吸着され、濃度が低下しやすい。
  • 粘膜面に使用禁忌の消毒薬もある。
【使用時のポイント】
綿球の作り置きは避ける。
基本的に人体から器械・器具まで幅広く使用できるが、クロルヘキシジングルコン酸塩は結膜嚢以外の粘膜に使用できない。
中水準
  • ・次亜塩素酸ナトリウム
  • ・エタノール
  • ・イソプロパノール
  • ・ポビドンヨード
  • 結核菌を殺菌するが、エタノールとイソプロパノールは芽胞を殺滅しない。
  • 器械・器具にのみ適しているもの、人体のみに適しているもの、両方に使えるものが含まれる。
  • 「有毒ガスの発生」「腐食作用」「粘膜や創傷部位への刺激性」「引火性」「ゴム製品の変質」「接触性皮膚炎」など、特徴が多岐にわたる。
【使用時のポイント】
消毒薬ごとに用途や注意事項をきめ細かく確認する。
高水準
  • ・グルタラール
  • ・フタラール
  • ・過酢酸
  • ほとんどすべての微生物を死滅させる(芽胞にも有効)
  • 器械・器具専用の消毒薬。内視鏡消毒の第一選択。
  • 皮膚に付着すると皮膚炎や化学熱傷を起こすことがある。
    薬液が皮膚に接触しないように十分注意。
  • 蒸気が眼や呼吸器などの粘膜を刺激する。蒸気を吸入しないように十分注意。
【使用時のポイント】
換気のよい場所で、マスク・ゴーグル・手袋・エプロンなどを着用。
消毒効果レベル:低水準
  • ・クロルヘキシジングルコン酸塩
  • ・ベンザルコニウム塩化物
  • ・ベンゼトニウム塩化物
  • ・アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩
適用範囲
  • 器具
  • 人体
    粘膜に使用不適
    な場合もある
  • 環境
特徴と注意点
  • ほとんどの栄養型細菌、一部のウイルス、
    一部の真菌を殺滅する。
  • 綿球などに吸着され、濃度が低下しやすい。
  • 粘膜面に使用禁忌の消毒薬もある。
【使用時のポイント】
  • 綿球の作り置きは避ける。
  • 基本的に人体から器械・器具まで幅広く使用できるが、クロルヘキシジングルコン酸塩は結膜嚢以外の粘膜に使用できない。
消毒効果レベル:中水準
  • ・次亜塩素酸ナトリウム
  • ・イソプロパノール
  • ・エタノール
  • ・ポビドンヨード
適用範囲
  • 器具
  • 人体
  • 環境
特徴と注意点
  • 結核菌を殺菌するが、エタノールとイソプロパノールは芽胞を殺滅しない。
  • 器械・器具にのみ適しているもの、人体のみに適しているもの、両方に使えるものが含まれる。
  • 「有毒ガスの発生」「腐食作用」「粘膜や創傷部位への刺激性」「引火性」「ゴム製品の変質」「接触性皮膚炎」など、特徴が多岐にわたる。
【使用時のポイント】
  • 消毒薬ごとに用途や注意事項をきめ細かく確認する。
消毒効果レベル:高水準
  • ・グルタラール
  • ・フタラール
  • ・過酢酸
適用範囲
  • 器具
  • 人体
  • 環境
特徴と注意点
  • ほとんどすべての微生物を死滅させる(芽胞にも有効)
  • 器械・器具専用の消毒薬。内視鏡消毒の第一選択。
  • 皮膚に付着すると皮膚炎や化学熱傷を起こすことがある。
    薬液が皮膚に接触しないように十分注意。
  • 蒸気が眼や呼吸器などの粘膜を刺激する。蒸気を吸入しないように十分注意。
【使用時のポイント】
  • 換気のよい場所で、マスク・
    ゴーグル・手袋・エプロンなどを着用。

※Spauldingの分類をもとに独自に作成。適用範囲の詳細は必ず薬剤ごとに確認してください。

*芽胞:熱や乾燥や消毒薬に対して抵抗性のある、”細菌の種”のようなもの。環境が揃うと”種”が発芽し増殖を始める。

消毒薬には、それぞれ使用・保管時の
注意点があります。
消毒薬が最大限の効果を発揮できるよう、
確認しましょう。

消毒効果を最大限に!消毒ごとの取り扱い注意点はこちら

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