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アウトドアで気をつける食中毒
屋外での楽しみが増える季節ですが、食中毒になってしまうとせっかくのイベントも台なしに。
この時期に注意すべき食中毒予防のポイントを押さえて、安心して楽しみましょう。
食中毒について
食中毒の原因は細菌やウイルス、寄生虫、自然毒などさまざまです。
発症までの時間や症状、予防方法もそれぞれ異なります。
まずは、食中毒の主な原因にはどのようなものがあるか見てみましょう。
-
細菌
ウエルシュ菌

- 主な原因
- 作り置き料理(カレー・煮物など)
- 主な症状
- 下痢・腹痛(発熱は軽度)
- 潜伏期間
- 平均10時間
- 発生時期
- 通年
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細菌
黄色ブドウ球菌

- 主な原因
- おにぎり・弁当など調理者の手指からの汚染
- 主な症状
- 嘔吐・腹痛・下痢
- 潜伏期間
- 平均3時間
- 発生時期
- 夏場に多い
-
細菌
カンピロバクター

- 主な原因
- 生や十分に加熱されていない鶏肉
- 主な症状
- 下痢・腹痛・発熱
- 潜伏期間
- 1~7日
- 発生時期
- 夏〜秋
-
細菌
サルモネラ

- 主な原因
- 生肉・鶏卵
- 主な症状
- 下痢・腹痛・発熱・嘔吐
- 潜伏期間
- 12~48時間
- 発生時期
- 夏場に多い
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細菌
セレウス菌

- 主な原因
- 炒飯・スパゲッテイ・作り置き米飯類
- 主な症状
- 嘔吐型:悪心、嘔吐
下痢型:下痢・腹痛
- 潜伏期間
- 嘔吐型:30分〜6時間
下痢型:8~16時間
- 発生時期
- 夏場に多い
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細菌
腸炎ビブリオ

- 主な原因
- 生魚・刺身・寿司など海産物
- 主な症状
- 激しい腹痛・下痢・発熱・嘔吐
- 潜伏期間
- 6~24時間
- 発生時期
- 夏(海水温20℃以上で増加)
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細菌
腸管出血性大腸菌
(O157など)
- 主な原因
- 加熱不十分な牛肉・
汚染水・生野菜
- 主な症状
- 激しい腹痛・下痢・血便・溶血性尿毒症
- 潜伏期間
- 3~8日
- 発生時期
- 夏〜秋
-
ウイルス
ウイルス
(ノロウイルスなど)
- 主な原因
- 二枚貝、感染者からの二次汚染
- 主な症状
- 下痢・腹痛(発熱は軽度)
- 潜伏期間
- 1〜2日
- 発生時期
- 冬季(11月〜3月)
-
寄生虫
寄生虫
(アニサキスなど)
- 主な原因
- 生魚
- 主な症状
- 悪心・嘔吐・胃痛
- 潜伏期間
- 1〜24時間
- 発生時期
- 通年
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自然毒
植物・動物

- 主な原因
- フグ毒・毒キノコ・ジャガイモ芽(ソラニン)
- 主な症状
- しびれ・呼吸困難・嘔吐・下痢
- 潜伏期間
- 数分後〜数時間
- 発生時期
- 通年(種類による)
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化学物質
化学性食中毒

- 主な原因
- ヒスタミン
- 主な症状
- 頭痛・吐き気・めまい・意識障害
- 潜伏期間
- 接種後すぐ〜数時間
- 発生時期
- 通年
高温多湿な夏場は、細菌が繁殖しやすく細菌性食中毒が多く発生する傾向にあります。
冬場は、ノロウイルスなどによるウイルス性食中毒が目立ちます。
また、アニサキスなど寄生虫による食中毒は一年を通じて注意が必要です。

食中毒予防の3原則と
6つのポイント
食中毒を防ぐには、食中毒の菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」という3原則、
ウイルスの場合は「つけない」「やっつける」を意識することが大切です。
また、家庭では、買い物から保存、下ごしらえや調理、食事、
そして残った料理の扱いまで、日々のちょっとした気配りが予防につながります。
ここでは6つの場面ごとに、具体的な工夫を紹介します。
参考リンクとあわせてご確認ください。
食中毒予防の3原則
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つけない
(洗う、分ける)
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- ● 衛生的な手洗いを
- ● 食品を区別して保管・調理
- ● 包丁、まな板、ふきん等の洗浄・殺菌
- ● ドリップ(食材から出る汁)もれの防止
- ● 魚や野菜は調理前に水洗い
- ● おにぎりや手巻き寿司は調理用手袋やラップを使用
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増やさない
(食品を正しく保存)
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- ● 正しい温度管理
(冷蔵は10℃以下、保温は60℃以上) - ● 調理後はすぐに食べる
- ● 調理済み食品を室温で放置しない
- ● 料理を弁当に詰めるのは冷ましてから。早めに食べる
- ● 正しい温度管理
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やっつける
(加熱する)
-
- ● 食材は中心まで加熱
(基準は中心温度75℃以上の加熱。ノロウイルスの場合85~90℃で90秒以上の加熱) - ● 調理器具・スポンジ・シンク内を清潔に(定期的に熱湯や塩素系漂白剤での消毒を)
- ● 食材は中心まで加熱
家庭でできる食中毒予防の
6つのポイント
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食品の購入-
- ● 新鮮な食品を選ぶ
- ● 消費期限を確認する
- ● 肉や魚は最後に購入し、個別に包装する
- ● 早めに帰宅し保存
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家庭での保存-
- ● 冷蔵10℃以下、冷凍-15℃以下
- ● 冷蔵庫の内容量は7割程度に
- ● 肉や魚の汁が他に触れないように
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下準備-
- ● 調理台やふきんを清潔に
- ● 肉・魚・卵に触れたら必ず手洗い
- ● 包丁・まな板の使い分け
- ● 解凍は冷蔵庫か電子レンジで行う
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調理-
- ● 調理の前に手を洗う
- ● 肉や魚は十分に加熱(中心部75℃で1分以上)
- ● ノロウイルス対策は85~90℃、90秒以上の加熱
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食事-
- ● 食前に手洗い
- ● 清潔な器具、食器を使用
- ● 長時間、室温に放置しない
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残った食品-
- ● なるべく食べきる
- ● 加熱調理品は、小分けにして早めに冷蔵・冷凍して保存
- ● 温め直しは75℃以上、汁物は沸騰まで
- ● 少しでも怪しければ食べずに廃棄
- 参考情報:
政府広報オンライン「食中毒予防の原則と6つのポイント」
( https://www.gov-online.go.jp/article/20110602/entry-8196.html#anc02 )
バーベキュー・ピクニックで
気をつけるポイント
アウトドアでの食事は開放感が魅力ですが、暑さや環境の影響で食中毒のリスクも高まります。
基本の「つけない・増やさない・やっつける」の3原則を大前提とし、
屋外だからこそ注意すべきポイントを紹介します。
バーベキュー編


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- 1. 肉はしっかり中心まで加熱!
- 生焼けの肉はカンピロバクターやO157の原因になります。
肉の中心部が75℃以上で1分間以上の加熱が目安です。
家庭での火力とは異なるので外側が焼けていても中は生ということがあるので注意しましょう。
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- 2. トング・皿は使い分け!
- 生肉と野菜、焼いた肉のトングは分けましょう。
交差汚染を防ぐためにも、トング同様、皿も生肉用・焼けた肉用で使い分けることが重要です。
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- 3. クーラーボックスで温度管理!
- 食材が10℃以上になると菌が急増するため、気温が高い屋外では注意が必要です。
保冷剤や氷を使い、生ものは食べる直前まで冷やしておきましょう。
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- 4. 手指衛生を忘れずに!
- 調理・食事前の手洗いは基本です。
水がない場合はアルコール含有の除菌ウェットティッシュをはじめとする衛生用品を活用しましょう。
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- 5. 調理後はすぐ食べる!
- 焼きそば・カレー・おにぎりなども細菌の温床になります。
暑い時期は2時間以内に食べきるのが理想です。
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- Q手洗い設備がない場合、どうすればよいでしょうか?
- 水道がある場合は「ハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐ」という手洗いが推奨されます。
設備がないときはウェットティッシュで汚れを拭き取り、アルコール消毒液で 仕上げましょう。調理や配膳時には清潔なビニール手袋を活用し、手袋は長時間使わずこまめに交換することも有効です。なお、石けんを使う場合は、直接川や池に流さずに、指定の排水場所を利用して環境にも配慮しましょう。
(出典:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000105095.pdf)
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- Qアルコール消毒液は使ってもよいでしょうか?
- アルコール消毒液は、手洗いがすぐにできない状況では一時的な方法として使用できます。ただし、バーベキュー、コンロ調理をするときなど、火気のあるところで使用すると、引火や爆発の恐れがあります。同様に火のそばで、可燃性のガスを含むスプレー缶を使うことも非常に危険です。アルコール消毒液、虫よけスプレー、冷却スプレー、デオドラントスプレーなどは、必ず火気から離れた安全な場所で使用しましょう。また、アルコール消毒液を火おこしの目的で使ってはいけません。
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- Qクーラーボックスの保冷効果を持続させる方法はありますか?
- 事前準備としてクーラーボックスの中を予冷しておき、食品を凍らせて入れる方法があります。また直射日光を避け日陰に置くこと、必要なら銀マット(アルミを使用した断熱マット)やタープ(布状の屋根)で覆うこと、熱くなった地面に直置きしないこと、開閉回数を最小限に減らして隙間をなくすこと、冷気は上から下へ流れるため、保冷剤は食材の上に置くことなどが重要です。開閉回数を減らす方法として、食材用と飲み物用でボックスを分けるのも効果的です。
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- Q「十分に加熱」の確認ってどうしたらよいでしょうか?
- 肉類や魚は、中心までしっかり火を通すことが大切です。
例えば表面からでは判断が難しいハンバーグなら、断面に赤い部分がなくなり肉汁が完全に透明になっている状態になれば加熱は十分です。
魚介は身が白くなったら、貝は口が開いたら焼き終わりの合図など食材ごとの判断が必要です。
食品内部の温度を測れる調理用温度計を使うと、なおよいでしょう。
ホームセンターやインターネットで購入できるのでバーベキューをよくする方は持っておくと便利です。
※基準は中心温度75℃以上で1分以上の加熱。ノロウイルス対策では85~90℃で90秒以上の加熱が必要。
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- Qお肉用と野菜用で箸を分ければ十分でしょうか?
- 大切なのは「加熱前」と「加熱後」で使い分けることです。
生肉を扱う箸やトングと、焼き上がった食品をお皿や口に運ぶ箸は必ず別にしましょう。
識別のためにカラーテープを貼るなど、誰でも一目で区別できる工夫をすると安心です。
食べ物を切る際にも、加熱する食品と加熱しない食品で、別々のまな板・包丁を使いましょう。
分けるのが難しいときは、加熱しない食品を先に切るようにします。
ピクニックお弁当編




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- 1. 調理前の手洗い・手指衛生!
- 石けんと流水でしっかり手洗いを。
調理をする人が体調不良の場合は調理を控えましょう。
手袋や器具の清潔も重要です。
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- 2. 加熱はしっかり、常温保存に注意!
- 肉・卵料理は中心まで75℃以上で1分以上加熱。
生野菜、半熟卵やマヨネーズ系サラダは避け、調理後は十分に冷ましてから詰め、細菌が急速に増殖するため常温保存に注意し冷蔵庫や保冷材で低い温度を保つか早めに食べましょう。
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- 3. 水分の多い食品は避ける!
- 水分が多いと細菌が増えやすくなるので汁気をよくとりましょう。
煮物・和え物・カットフルーツなど水分が出やすい食品は別の容器に入れるとより安全です。
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- 4. よく冷ましてから詰める!
- 熱いまま容器に詰めると容器内に蒸気がこもって水滴となり菌が増殖します。
完全に冷めてからお弁当箱にいれフタをしましょう。
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- 5. おかずは仕切って交差汚染を防ぐ!
- おかずカップや仕切りを使い、味移りや菌の移動を防ぎ早めに食べましょう。
清潔な箸・容器を使いましょう。
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- 6. 保冷剤+保冷バッグで持ち運ぶ!
- 屋外では10℃以下を保つのが理想。
保冷バッグ+保冷剤を使い、日陰に置いて温度上昇を防ぎましょう。
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- 7. 食べる前に手を清潔に!
- 除菌ウェットティッシュ(アルコール含有)や手指消毒用のアルコールを活用し、食前の手指衛生を徹底しましょう。
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- Qお弁当作りの鉄則はありますか?
- お弁当作りは「しっかりと加熱」「水分大敵」「盛り付けは冷ましてから」「早めに食べる」が鉄則です。
調理する手はいつも清潔に。調理器具、菜箸、お弁当箱はきれいに洗って十分に乾かしたものを使いましょう。卵焼きやゆで卵は半熟になりやすいため、必ず中心まで火を通しましょう。
おかずの汁気はよく切り、盛り付けには仕切りやおかずカップを活用すると安心です。 吸水タイプのカップも便利です。出来上がったお弁当は保冷剤を活用して速やかに冷やし、低い温度を保つことも食中毒予防に欠かせません。
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- Q指に傷がある時は、絆創膏をすれば大丈夫でしょうか?
- 絆創膏だけでは不十分です。調理や盛り付けの際は必ずビニール手袋を着用しましょう。
傷口には黄色ブドウ球菌などの細菌が潜んでおり、食品に付着すると食中毒を引き起こす危険があります。
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- Qごはんやおかずは、お弁当箱に入れてから冷ますのですか?冷ましてから入れますか?
- お弁当のごはんやおかずは、必ず冷ましてから詰めましょう。熱いまま入れると水滴がつき、細菌が繁殖しやすくなります。ごはんはバットや大皿に広げて粗熱をとり、揚げ物や卵焼きは切って 風を当てると早く冷めます。冷ます際には、バットの下に保冷剤を置くと効率よく温度を下げられます。
作り置きのおかずは再加熱をして、常温まで冷ましてから詰めましょう。
長時間持ち歩くときは保冷バックを活用するといいでしょう。
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- Q彩りのために生野菜を入れてもよいでしょうか?
- 生野菜は水分が多く菌が繁殖しやすいため避けるのが賢明です。
お弁当の副菜としてよく使われるミニトマトは、ヘタをとってから洗い、水分をペーパータオルなどで拭き取ってから詰めると安心して食べることができます。彩りには、加熱した野菜や冷凍食品(加熱後摂取品を除く)を使うのもおすすめです。バランやカラーのおかずカップを使えば見た目も鮮やかです。
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- Qおかずは前日に作っても大丈夫でしょうか?
- 基本は当日調理が安全です。やむを得ず前日に作る場合は、冷蔵保存し、詰める直前に必ず十分に再加熱して常温に冷ましてから入れましょう。
学園祭や地域のお祭り、バザーで食べ物を出すときは、不特定多数の人に提供することになります。
短いイベントでも、食中毒予防・事故防止のための衛生管理や手続きが必要です。
事前に保健所へ相談し、安全で安心なイベント運営を心がけましょう。
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- :どこかへ届け出が必要でしょうか?
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地域のお祭リや学校行事などで一時的に食べ物を出すときは、主催者は保健所に申し出て衛生指導を受けましょう。営業許可はいりませんが、場合によっては届出が必要です。
企業が福利厚生やサービス目的で行う場合にも、提供する時間や内容によっては営業許可が必要なケースがあります。
臨時出店の取扱いは保健所で定められているため、必ず開催地域の保健所に相談しましょう。自己判断は厳禁です。
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- :提供できないメニューがありますか?
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臨時出店では、衛生管理が難しい食品は提供できません。提供時によく加熱する食品や市販品を盛りつけたりする食品に限られます。
詳細なルールや規則は、必ず出店地域の保健所に相談しましょう。
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- :前日に野菜を切るなどの準備をしても大丈夫でしょうか?
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臨時出店では、原材料の仕込みや調理は食品を提供する当日に行うことが原則です。食中毒のリスクや対策をしっかりと理解したうえで準備する必要があります。具体的には保健所に相談しましょう。
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- :模擬店(臨時出店)などの調理で気を付けることは?
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臨時出店でも、食中毒対策は同じです。
- ●衛生的な手洗いを行うこと。
事前に水が出る場所を確認しておきましょう。
アルコール消毒液の併用も効果的。 - ●食材を十分に加熱すること。
- ●調理後の盛り付け・包装の際には衛生的な手袋を使用して、決して直接手指で触らないこと。
臨時出店で起きた食中毒事故で大きな被害となったのは、平成26年に発生した冷やしキュウリによる食中毒で500名以上の患者が発生しました。
模擬店(臨時出店)でも、このような食中毒が発生することがあります。食中毒が発生する要因や可能性を理解して、十分な対策をとり、楽しいイベントにしましょう! - ●衛生的な手洗いを行うこと。
食中毒だけじゃない!
合わせて確認したい感染対策
食材の選び方や保存方法、加熱の徹底といった基本を守ることで、 食中毒のリスクを大きく減らせます。
正しい知識を活かして、この季節ならではの思い出を健康とともに積み重ねていきましょう!

監修:公益社団法人日本食品衛生協会
飲食物が原因となって起こる食中毒などの健康被害を防止し、消費者の健康を守るため、食品等事業者に正しい食品衛生の知識を広めることを目的として、地域の保健所や食品製造業や飲食店等の人々と協力し、 食の安全を守るための活動を行っています。
作成日:2025年10月































































































































