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ヒトメタニューモウイルスってどんなウイルス?
- 【症状】
- 咳・喉の痛み , 発熱・悪寒 , 肺炎 , 鼻水・鼻づまり
- 【感染症名】
- ヒトメタニューモウイルス(hMPV)

昨年末から、『中国で感染が拡がっている!』というニュースが流れているヒトメタニューモウイルス(human metapneumovirus:hMPV)感染症(hMPV感染症)。
またしても新たな感染症が!?と心配になったかもしれませんが、実はこれは何十年も前から存在している、風邪の原因となるウイルスの一つなのです。
2001年に初めて確認され、主に呼吸器感染症を引き起こします。多くの国で冬から春にかけて流行する一般的な呼吸器ウイルスで、インフルエンザのような届出対象の感染症ではありません。
今後も、インフルエンザのように特に指定して調査が行われるウイルスではありませんが、4月からは、ヒトメタニューモウイルスによって急性の上気道炎あるいは下気道炎の症状がある場合は、『急性呼吸器感染症』という大きなくくりで報告されて流行などが確認されるようになります。
5-10歳までにほとんどの人が一度は感染し、成人してからでも感染するウイルスです。
感染経路・症状
主な感染経路は、感染している人の咳やくしゃみなどの飛沫から感染する飛沫感染と接触感染です。潜伏期間は4〜6日で、一般的な症状としては、咳、発熱、鼻づまりなどの風邪症状です。
ただし、ウイルス排出期間が約2週間と長いので、症状がなくなっても注意が必要です。
ゼイゼイする呼吸(喘鳴)や呼吸困難になることもありますが、RSウイルスの症状にも似ており、症状ではわかりません。
ほとんどの人は風邪に似た軽い上気道炎症状だけで数日で回復しますが、病院や高齢者施設などでは集団感染の報告があり、気管支炎や肺炎も認められていますので、特に乳幼児や高齢者、免疫力が低下している病気の方は注意が必要です。
診断
インフルエンザの検査のように綿棒で鼻の奥の粘液をぬぐい取る方法で行います。6歳未満で肺炎が強く疑われる場合のみ保険が適用されます。
予防・対策
ワクチンや特効薬はなく、症状を和らげる対症療法になります。風邪の一種ですので、栄養を摂ってしっかり休んでください。
また、hMPV特別にということではなく、基本的な感染対策を行いましょう。
- 手洗い:石けんと流水で定期的に手を洗いましょう。アルコールも有効です。
⇒正しい手の洗い方についてはこちら
- マスクの着用:特に混雑した場所や医療機関を訪れる際にはマスクを着用しましょう。
⇒マスクの正しい使い方はこちら
- 人混みを避ける:体調が優れない場合や感染リスクが高い場所への訪問を控えましょう。
- 適切な換気:室内の空気を定期的に入れ替えましょう。
- 手でよく触れる場所:家族に感染者がいる場合には、使ったおもちゃやドアノブなどからうつらないようにアルコールで消毒しましょう。
- タオルや食器:家族に感染者がいる場合には、タオルや食器をわけて使うようにしましょう。
これらの基本的な感染対策を行うことで、hMPVだけでなく、他の呼吸器感染症のリスクも低減できます。
ちょうど中国の旧正月、春節連休(1月28日〜2月4日)を迎え、日本にも多くの観光客が来日されることが予想されますが、基本的な感染予防策を行うことで、様々な感染症のリスクを低減できます。特に冬から春にかけてのこの時期は、特にこれらの対策も意識して、健康で楽しく過ごしましょう。
関連情報
厚生労働省 検疫所 北半球におけるヒトメタニューモウイルスを含む急性呼吸器感染症の動向
https://www.forth.go.jp/topics/2025/20250120_00001.html
国立感染症研究所 COVID-19流行下の小児基幹病院における当院に入院した重症ヒトメタニューモウイルス感染症の状況
https://www.niid.go.jp/niid/ja/route/respiratory/1750-idsc/iasr-in/11428-510d01.html
<速報>福祉施設におけるヒトメタニューモウイルス集団感染事例―千葉市
https://www.niid.go.jp/niid/ja/route/respiratory/1747-idsc/iasr-news/3706-pr4022.html
精神科病院におけるヒトメタニューモウイルスによる成人の集団感染事例―茨城県
https://www.niid.go.jp/niid/ja/route/respiratory/1750-idsc/iasr-in/7614-452d02.html
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