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マイコプラズマ肺炎の流行が拡大しています
- 【症状】
- 咳・喉の痛み , 発熱・悪寒 , 肺炎 , 頭痛がする
- 【季節】
- 春, 夏, 秋, 冬
- 【感染症名】
- マイコプラズマ肺炎
暑い夏なのに風邪を引いてしまい、熱は下がったのに、咳だけ残っていませんか? それはマイコプラズマ肺炎かもしれません。
「歩く肺炎」とも言われる「マイコプラズマ肺炎」の患者が急増しており、8年ぶりの流行となっています。
マイコプラズマ肺炎とは
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae:マイコプラズマ・ニューモニア)」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。患者の約80%は14歳以下ですが、成人の報告もみられます。
マイコプラズマ肺炎は、秋冬に増加する傾向がありますが、1年を通じてみられます。
症状
発熱や全身倦怠感、頭痛、咳などがあります。咳は少し遅れて始まることもありますが、だんだん激しくなり、熱が下がっても3~4週間続くことがあります。初期症状では風邪や新型コロナウイルス感染症などと区別がつきません。
肺炎マイコプラズマに感染した場合、小児の方が気管支炎などの軽い症状で済み、肺炎を発症しても軽症ですむと言われていますが、一部の人では重症化して入院することもあります。また、5~10%未満の方では、中耳炎、胸膜炎、心筋炎、髄膜炎などの合併症を併発することもあります。
肺炎になっていても軽症のために出歩く人がいたりして、「歩く肺炎」とも呼ばれています。
感染経路
主な症状が咳である呼吸器感染症ですので、感染した人の咳のしぶきを吸い込んだり、感染者と接触したりすることにより感染すると言われています。インフルエンザほど感染力は強くありませんが、家庭のほか、学校や幼稚園・保育園のような、集団で過ごす場面で流行しやすいです。
感染してから発症するまでの潜伏期間は長く、2~3週間くらいとされていますのでいつ感染したかがわかりづらいうえ、病原体は発症2-8日前から排出されるので、気づかないうちに多くの人にうつしてしまうことがあります。
発生状況
マイコプラズマ肺炎は5類感染症の一つで、感染症発生動向調査において全国約500カ所の基幹定点医療機関から週単位で報告されます。基幹定点医療機関からの報告数は、2014年~2023年での10年でみると、最も報告数が少なかった報告年は2022年(395件)で、最も報告数が多かった報告年は2016年(19,721件)でした。
新型コロナウイルス感染症流行開始後、2020年5月以降は報告数が減少し、2020~2023年は、毎年起こる秋冬期の季節性の報告数増加もみられませんでした。2024年は6月頃から報告数が増加しており、2016年に匹敵する勢いです。第33週(8/12~8/18)でも、多くの感染症が減少する中、マイコプラズマ肺炎は前週の546例から625例に増加しています。
治療方法
マイコプラズマ肺炎は、マクロライド系などの抗菌薬で治療します(※)。軽症で済む人が多いですが、重症化した場合には、入院して治療することもあります。ただ、マクロライド系抗菌薬が効かない「耐性菌」も出てきており、その場合は他の抗菌薬で治療します。
(※)成人で肺炎を伴わない気管支炎の場合、抗菌薬による治療を行わないことが推奨されています。
予防と対策
マイコプラズマ肺炎を予防するワクチンは存在しません。風邪やインフルエンザと同じように、手洗い・マスク着用が基本です。
特に、咳が出ている時はマスクを着用しましょう。
⇒マスクの正しい使い方はこちら
また、感染した場合は、家族間でもタオルの共用は避けましょう。
夏休みも終わり、集団生活が始まると、学校などで流行する可能性もあります。感染対策の基本である手洗いは常に行うようにしましょう。
また、まだまだ暑く、疲れも出る時期です。夏バテにならないよう、体力もつけておきましょう。
咳が長引くようならマスクを着用して、かかりつけ医に相談してくださいね。
関連情報
厚生労働省 マイコプラズマ肺炎
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mycoplasma.html
厚生労働省 マイコプラズマ肺炎に関するQ&A 平成23年12月作成、平成24年10月改訂
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou30/index.html
国立感染症研究所 マイコプラズマ肺炎とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/503-mycoplasma-pneumoniae.html
国立感染症研究所 IDWR速報データ
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