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12月1日は世界エイズデー

【症状】
発熱・悪寒 , 筋肉痛 , 頭痛がする
【季節】
春, 夏, 秋, 冬
【感染症名】
エイズ
12月1日は世界エイズデー

12月1日は世界エイズデーです。エイズのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHOが1988年に制定しました。12月1日を中心にエイズに関する啓発活動が行われています。

世界と日本の状況

エイズ(AIDS:Acquired Immune Deficiency Syndrome)とは、後天性免疫不全症候群のことで、HIV(ヒト免疫不全ウイルス:Human Immunodeficiency Virus)に感染し、免疫力が低下することで、通常は感染症を起こさない病原体でも感染する日和見感染や悪性腫瘍が発症した状態です。
エイズは1981年に米国で発見されて以後世界中に広まり、2021年末時点で世界のHIV陽性者数は3,840万人、新規HIV感染者数は年間150万人、エイズによる死亡者数は年間65万人です。日本の2021年に報告された HIV 感染者は 742 件、AIDS 患者は 315 件であり、1985年に調査が開始されてからの累積報告数は、2021年末の時点では HIV 感染者 23,231 件、AIDS 患者 10,306 件でした。

エイズ(後天性免疫不全症候群)とは

HIVは、主に免疫をつかさどるリンパ球の1つであるヘルパーT細胞(CD4細胞)に感染し免疫を低下させます。
HIVに感染しても、すぐにエイズを発症するわけではありません。感染してからエイズを発症するまで主に3つの期間があります。
<急性期>
感染から数週間後は、急激にウイルスが増殖し、発熱、咽頭痛、筋肉痛や頭痛などインフルエンザと似たような症状が出ます。症状は自然に軽快します。
<無症候期>
その後、症状がない時期が数年から10年程度続きます。感染力はありますので、他の人に感染させる可能性はあります。
<エイズ発症期>
さらに進行すると、ヘルパーT細胞の急激な減少により免疫力が低下し、通常は感染症を起こさない病原体でも感染する日和見感染や悪性腫瘍を起こすようになり、エイズと診断されます。

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HIVの感染経路と予防策

HIVは血液、精液・膣分泌物などの体液、母乳などに含まれていますので、感染経路は主に3つです。

①性的接触
HIVは血液、精液や膣分泌液に多く含まれており、日本ではHIV感染者の約85%が性行為による感染で、最も多い感染経路です。正しくコンドームを装着することが予防になります。
②血液による感染
過去には輸血や非加熱血液製剤による感染や、薬物使用者の注射器の共用で感染が拡大しましたが、現在日本では血液による感染はほとんど報告されていません。また、日本の医療機関では献血や採血を行う際、注射針は使い捨てまたは滅菌済みです。
③母子感染
母親がHIVに感染している場合、妊娠中、出産時や授乳時に子供に感染することもあります。妊娠中に治療薬を飲むことや母乳を与えないことで子供への感染を1%以下に抑えることができると言われています。

血液や体液を介した接触がない限り、お風呂の共用などの日常生活で感染することはないと考えられています。HIVは体外に出ると弱いウイルスです。なお、エイズのワクチンはありません。



早期検査・早期治療が大切

HIVは早期検査・早期治療が大切です。
検査は、保健所、病院、クリニックなどで受けることができます。無料・匿名で検査できるところもあります。感染の疑いがあり検査を受けるか迷っている場合は相談機関に相談することも1つ方法です。
治療は3剤以上の抗HIV薬を服用することが標準治療法となっています。また、最近では1日1錠の服用のみの薬も開発されました。体内からHIVを完全になくすことはできませんが、治療の進歩によりエイズの発症を遅らせ日常生活を維持できるようになりました。

世界エイズデーにエイズについて改めて理解を深めてみてはいかがでしょうか。

関連情報

厚生労働省
12月1日は「世界エイズデー」
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eizu/index.html)
感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について 9 後天性免疫不全症候群
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-07.html)
国立感染症研究所
AIDS(後天性免疫不全症候群)とは
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/400-aids-intro.html)
IASR HIV/AIDS 2021年
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/aids-m/aids-iasrtpc/11555-512t.html)
エイズ予防情報ネット
(https://api-net.jfap.or.jp/index.html)

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