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新型コロナウイルスの消毒・除菌を正しく行うために②
- 【季節】
- 春, 夏, 秋, 冬
- 【感染症名】
- 新型コロナウイルス感染症

厚生労働省は、新型コロナウイルスの消毒・除菌を正しく行うため、NITE※がまとめた最新の消毒方法の有効性評価の結果をふまえ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」(2020年6月26日)を公表しました。
この中から、前回「新型コロナウイルスの消毒・除菌を正しく行うために①」では、消毒・洗浄の目的にあった消毒・除菌方法の選び方について紹介しました。
今回は、手や指、モノに付着したウイルスの消毒・除菌方法、空気中のウイルス対策などについて注意点も含めて紹介します。
⇒厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」(2020年6月26日)はこちら
⇒「新型コロナウイルスの消毒・除菌を正しく行うために①」はこちら
※NITE:独立行政法人 製品評価技術基盤機構
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法
手や指、モノに付着したウイルスの消毒・除菌方法
手や指、モノに付着したウイルスの消毒・除菌方法は、ウイルスが付着したモノによって変わり、方法や注意点が異なります。
●手や指
手や指に付着したウイルスは、流水で洗い流す「手洗い」が最も重要です。「手洗い」がすぐにできないときは、アルコール消毒剤(濃度70%以上95%以下のエタノール)を使用します。
70%以上のエタノールが手に入らない場合は60%台のエタノールを使用しても差し支えありません。 ⇒アルコール消毒剤の使い方や希釈方法、注意点についてはこちら
●テーブル、ドアノブなど
①アルコール消毒液
濃度70%以上95%以下のエタノールを用いてふき取ります。70%以上のエタノールが手に入らない場合は60%台のエタノールを使用しても差し支えありません。
なお、アルコール過敏症の方は使用を控えましょう。また、引火性があり、空間噴霧では使わないでください。
⇒アルコール消毒剤の使い方や希釈方法、注意点についてはこちら
②次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素系漂白剤)
市販されている家庭用の塩素系漂白剤を使用します。「次亜塩素酸水」とは異なる物質で、間違わないように注意が必要です。
次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.05%になるように薄めて拭きます。その後、水拭きしましょう。
なお、塩素に過敏な方は使用を控えましょう。また、目に入ったり、皮膚に着かないように注意しましょう。注意点として、酸性のものと混ざると塩素ガスが出て危険です。 ⇒「次亜塩素酸ナトリウム製剤の特徴と注意点」について詳しくはこちら
③次亜塩素酸水
次亜塩素酸水は、「次亜塩素酸」を主成分とする酸性の溶液で、一定濃度以上の次亜塩素酸水は、新型コロナウイルスに有効であることが確認されました。
アルカリ性の「次亜塩素酸ナトリウム」とは異なる物質で、性質が異なりますので、間違わないように注意が必要です。
⇒次亜塩素酸酸ナトリウムとの違い、使用する次亜塩素酸水についてはこちら
次亜塩素酸水は、拭き掃除、消毒したいモノに流水でかけ流して使用します。
使用時には、消毒するものの表面に付着している皮脂などの汚れをよく落とし、少量では十分に効果が発揮されないため、十分な量を使用することや、製造業者等が提供する安全情報、使用上の注意を確認し、適切に使用する必要があると報告しています。
なお、ヒトが吸入しないように注意が必要で、空間噴霧はできません。また、酸性のものと混ざると塩素ガスが出るため危険です。
〈次亜塩素酸水の使い方〉
●拭き掃除:有効塩素 80ppm以上の次亜塩素酸水を使用(★1)
汚れをあらかじめ落とし、十分な量の次亜塩素酸水で、消毒したいもの表面をヒタヒタに濡らし、20秒以上放置後ふき取る
★1:ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを水に溶かした製品の場合は有効塩素100ppm以上
●流水でかけ流し:有効塩素 35ppm以上の次亜塩素酸水を使用(★2)
汚れをあらかじめ落とし、次亜塩素酸水を生成装置から直接消毒したいものに20秒以上かけ流し、ふき取る
★2:元の汚れがひどい場合は有効塩素200ppm以上
⇒「次亜塩素酸水を使ってモノの消毒をする場合の注意事項」についてはこちら
ppm:濃度の単位で、1%が10,000ppmに相当します。よって100ppmは、0.01%に相当します。
④洗剤(界面活性剤)
市販されている家庭用洗剤(住宅家具用、お風呂用、トイレ用など)、台所用洗剤を使用します。
洗剤に新型コロナウイルスに有効であることが確認されている界面活性剤が含まれているか、ラベルなどを確認することが必要です。
家庭用洗剤の場合は、製品に記載されている使用方法に従いましょう。
台所用洗剤の場合は、薄めて使用します。
なお、手指や皮膚などの人体には原則使用できません。また、目に入ったり、飲み込んだり、吸い込んだりしないように注意しましょう。
⇒効果が確認された界面活性剤、使用方法・注意事項などについてはこちら
●食器や箸
80℃の熱水に10分間さらします。やけどに注意が必要です。
また、材質の耐熱性を確認しましょう。
参考 厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」(6月26日)
空気中のウイルス対策
新型コロナウイルスの感染経路は、飛沫感染、接触感染ですが、換気の悪い密閉空間では感染リスクが高く、空気中に拡散したウイルスを含んだエアロゾルによる感染が指摘されています。
空気中のウイルス対策としては、部屋を換気することが必要です。
換気のポイントを参考に、1時間に2回以上、数分間程度定期的に換気を行います。
なお、一般的な家庭用のエアコンには換気の機能はなく、冷房時でも換気は必要です。また、「消毒剤」や「除菌剤」を空間に噴霧すると、眼や皮膚に付着したり吸い込むおそれがあるため推奨されていません。
〈換気のポイント〉
【効果的な換気方法】
●ドアと窓など、2か所を開放する⇒対角線上にあるドアや窓を開放すると効果的●窓が1つしかない場合は、ドアを開けて扇風機などを窓の外に向けて設置する
【エアコン使用時の換気方法】
★換気の際にエアコンを止める必要はありません
1.扇風機や換気扇を併用する⇒短時間で効率的な換気ができる
2.換気後、エアコンの温度設定をこまめに再設定する
3.ドアや窓を長時間、開放したままにしない※
※外の湿度が80%以上の場合、長時間開放のままでエアコンを運転すると室内機に露が付き、家財などをぬらし、汚損の原因になることがあります
参考 「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)令和2年7月10日時点版」
参考 厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」(6月26日)
参考情報
厚生労働省
「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)」(2020年6月26日)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html)
「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)令和2年7月10日時点版」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html)
独立行政法人製品評価技術基盤機構
「新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について最終報告をとりまとめました。~物品への消毒に活用できます~」
(https://www.nite.go.jp/information/osirase20200626.html)