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病院・介護施設向け

新型コロナウイルスによる肺炎について-介護・高齢者施設等における集団感染防止のための留意点-

【症状】
たんが多い , 咳・喉の痛み , 息苦しい , 発熱・悪寒 , 鼻水・鼻づまり
【季節】
春, 夏, 秋, 冬
【感染症名】
新型コロナウイルス感染症

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2020年3月11日WHOはパンデミック(世界的大流行)を宣言しました。
世界中に新型コロナウイルスの感染者が広がり、欧米の先進国においてもオーバーシュート(急激な感染者の増加)による医療崩壊が発生し、ロックダウン(封鎖)が行われている国もあります。
日本では、小規模患者のクラスター(集団)への対策、全国的なスポーツや文化イベントの中止や延期、全国小、中、高校、特別支援学校の休校の要請などの対策により、オーバーシュートには至っていないと考えられています。
また、クラスター(集団)への対策としてクラスター対策班が組織され、3月17日同一の場において5人以上の感染者の接触歴などが明らかなクラスターの「全国クラスターマップ」が公表されました。
⇒全国クラスターマップはこちら
クラスターマップに公表されている13カ所のクラスターの中で、福祉施設に関連するクラスターが4カ所あります。
高齢者・介護施設などの福祉施設には、感染すると重症化する可能性が高い高齢者や基礎疾患のある方が多く、一層確実な感染対策を行うことが求められています。



普段から、十分な睡眠とバランスのよい食事を心がけ、免疫力を高めておきましょう。



基本的考え方

★咳エチケットを守ること
★手指衛生を励行すること
★濃厚接触を可能な限り避けること
★高頻度接触面を指先で触れないこと、触れた場合には正しい手指衛生すること
★高頻度接触面を清浄化すること
★定期的に換気すること

  ⇒感染対策には「感染対策チェックシート」を活用してください



〈用語の説明〉
①濃厚接触
濃厚接触は①距離の近さと②時間の長さで判断します。
新型コロナウイルス感染症患者の①約2メートル以内で②長時間過ごすことです。
個人防護具(マスクなど)を装着せずに新型コロナウイルス感染者(感染の疑いを含む)の分泌物や排泄物と直接接触する、咳やくしゃみにより唾液などが付着する、素手で使用済みのティッシュに触れた可能性のある場合などは濃厚接触となります。
②高頻度接触面
高頻度接触面とは、不特定多数の人が直接手指で触れる機会の多い硬質で平滑な面のことです。
たとえば、エレベーターボタン、タッチパネル、共用のキーボード、ドアノブ、電灯などのスイッチ、不特定多数が触れる家具・手すり・吊革などは高頻度接触面と考えられます。
➂手指衛生
この文書の中に出てくる手指衛生は、
・液体石けんと流水による手洗い:揉み洗い≧30秒+すすぎ
・アルコール手指消毒剤による消毒
 据え置き型手指消毒剤の場合は少なくともポンプを下まで押し切る、携帯型は3プッシュ程度使用します。
 ポンプ一押し最後まで(携帯用は3プッシュ)を使用した消毒のことを指しています。
 ※皮膚の弱い方、アルコールが触れると皮膚が赤くなり易い方は、液体石けんと流水による手洗いを行いましょう。
④換気
換気は窓が開けられれば最適ですが、建物の構造上または花粉症の方への配慮などで窓が開けられない場合は強制換気(換気扇)やドアを開けるなどで対処しましょう。開放できるドアや窓が複数ある場合は2つ以上開けましょう。
消毒薬にスプレーノズルがついていて空中に噴霧しても空間の消毒はできません。空間の消毒で十分に期待できる方法は換気のみです。スプレーノズルは器物、または拭き布に対して散布(濡らす)ためのものです。特にアルコール系の消毒薬は空中に噴霧すると引火、爆発の危険がありますのでその意味でも換気は重要です。



職員の出勤、来訪者に関する留意点

1.職員は、出勤前に体温を計測し、発熱等の症状が見られる場合には出勤を行わないように徹底します。
2.面会は、緊急やむを得ない場合を除き、制限が望ましく、面会を行う場合でも、体温を計測し、発熱が認められる場合には面会を断ります。
3.委託業者等は、物品の受け渡しは玄関など施設に限られた場所で行い、立ち入る場合には、体温を計測してもらい、発熱が認められる場合には立ち入りを断ります。

職員の執務時の留意点

1.出勤、退勤、オフィスの出入りの際には正しい手指衛生しましょう
2.咳、くしゃみの症状のある人は必ず正しくマスクを装着しましょう
3.近接した会話はできるだけ避けましょう、避けられない時はマスクを装着して短時間で完結しましょう
4.マスクを外すときはフィルター部分に触らず、耳かけを持って外しましょう
5.マスクを外した後はすぐに正しい手指衛生しましょう
6.狭いオフィスの場合には特に換気に注意しましょう(換気扇やドアの開放も可)
7.共用の設備(タッチパネル、ボタン、キーボードなど)を触った後は手指衛生しましょう
8.トイレのフラッシュ(水洗)レバーを押す前に便座の蓋を閉めましょう
9.身の回りの人が触る部分は清拭するなど清潔に管理しましょう
10.風邪様の体調の場合には無理せず、施設内指針を遵守しましょう

行事やレクレーションを行う場合の留意点

1.大人数が集うことは控えましょう
2.可能であれば大きめの部屋を使用しましょう
3.参加する場合はマスクを必ず着用しましょう
4.部屋入退室時には正しい手指衛生しましょう
5.座席は両手を拡げても当たらない距離を保って着座しましょう(少なくとも1m、可能であれば2m以上離れる)
6.時間を短くするため、できるだけ手短にしましょう
7.換気ファンは常にONとし、その日の最終退室者が切りましょう
8.テーブルと椅子の肘掛け、背もたれの上、電灯スイッチ、機材、電話機などの共有使用物を清拭して退席しましょう

食堂、リフレッシュルーム(休憩室)での留意点

1.時間差などでできるだけ混雑時を避けて休憩を取りましょう
2.食事の前後は正しい手指衛生しましょう
3.座席は両手を拡げても当たらない距離を保って着座しましょう(少なくとも1m、可能であれば2m以上離れる)
4.テーブルと椅子の肘掛け、背もたれの上、電灯スイッチ、調味料、電話機などの共有使用物を清拭して退席しましょう
5.可能であれば個人用マグカップなどは水回りにまとめて保管せず、個人で管理しましょう。リフレッシュルームなどの水場で保管する場合は、使う前に予洗しましょう
6.シンクやカウンターは清拭するなど清潔に管理しましょう

感染の疑いがある利用者の留意点

1.感染の疑いがある利用者

●風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなければならないときを含む)
●強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある
※ 高齢者、 基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患)がある方、妊婦はこれらの症状が2日程度続く場合

2.感染の疑いがある利用者が発生した場合の対応

●協力医療機関に相談し、対応を行います
●情報共有・報告などの実施
・「帰国者・接触者相談センター」に電話連絡し、指示を受けます
・施設長、管理者等に報告し、施設内で情報共有します
・指定権者へ報告します
・家族に報告します
・主治医及び担当の居宅介護支援事業者等に報告します[通所・短期入所の場合]
●消毒・掃除の実施
・感染の疑いがある利用者の居室、使用した共有スペース、利用した部屋・車両などの消毒・清掃を実施します
(清拭の方法と注意点 参照)
●濃厚接触利用者・職員の特定
(<用語の説明>①濃厚接触 参照)



感染の疑いがある利用者と濃厚接触が疑われる利用者/職員への対応

1.感染の疑いがある利用者と濃厚接触が疑われる利用者への対応

〈入所、居宅利用者〉
● 原則個室に移します
● 濃厚接触が疑われる利用者とその他の利用者の介護等に当たっては、 可能な限り担当職員を分けて対応します
● 他の利用者についても、手指衛生等の感染防止のための取組を促します
● 施設長等の指示により、来訪者に対して利用者との接触の制限等を行います
〈通所・短期入所利用者〉
● 自宅待機を行い、保健所の指示に従います
● 報告を受けた居宅系介護事業所等は、保健所と相談し生活に必要なサービスを確保します

2.感染の疑いがある利用者と濃厚接触が疑われる職員への対応

●発熱等の症状がある場合は、自宅待機を行い、保健所の指示に従います
●発熱等の症状がない場合は、保健所に相談し、疑われる職員数等の状況を踏まえて対応します

3.感染の疑いがある利用者と濃厚接触が疑われる利用者のケア実施にあたっての留意点

● ケアにあたっては部屋の換気を1、2時間ごとに5~10分間行います
● 職員は使い捨て手袋とマスクを着用する。
●咳き込みがあり、飛沫感染のリスクがあるときは、ゴーグル、使い捨てエプロン、ガウンなどを着用します
●ケアの開始時と終了時に手指衛生します
●体温計等の器具は可能な限り専用とする。共用の場合は消毒用エタノールで清拭します

食事の介助等
・ 食事介助は、原則として個室で行います
・ 食事前に利用者に対し、液体石けんと流水による手洗い等を実施します
・ 食器は使い捨て容器を使用するか、または、濃厚接触が疑われる利用者のものを分けた上で、熱水洗浄が可能な自動食器洗浄機を使用します
・ まな板、ふきんは、洗剤で十分洗い、熱水消毒するか、0.02~0.05%次亜塩素酸ナトリウム液に浸漬後、洗浄します
排泄の介助等
・ 使用するトイレの空間は分けます
・ おむつ交換の際は、排泄物に直接触れない場合であっても、手袋に加え、使い捨てエプロンを着用します
・ おむつは感染性廃棄物として処理を行います
※ ポータブルトイレを利用する場合の介助も同様とする
 (使用後ポータブルトイレは洗浄し、0.02~0.05%次亜塩素酸ナトリウム液等で処理を行う。)
清潔・入浴の介助等
・介助が必要な場合は、原則として清拭で対応する。清拭で使用したタオル等は熱水洗濯機(80℃10 分間)で洗浄後、乾燥を行うか、または、0.02~0.05%次亜塩素酸ナトリウム液浸漬後、洗濯、乾燥を行う
・個人専用の浴室で介助なく入浴ができる場合は、入浴を行ってもよい
・その際も、必要な清掃等を行います
リネン・衣類の洗濯等
・当該利用者のリネンや衣類については、その他の利用者と必ずしも分ける必要はないが、熱水洗濯機(80℃10 分間)で処理し、洗浄後乾燥させるか、または、0.02~0.05%次亜塩素酸ナトリウム液浸漬後、洗濯、乾燥を行います
・鼻をかんだティッシュ等のゴミの処理は、ビニール袋に入れて感染性廃棄物として処理を行います



清拭の方法と注意点

清拭は、70~80%アルコール(消毒用エタノール、イソプロパノール含む製剤)、アルコール環境消毒製剤、アルコール含浸ワイプで行います。次亜塩素酸ナトリウム製剤も有効ですが、器物に対して酸化による変化を起こすことがあります。特に金属類に使用すると錆びることがあります。
皮膚の弱い方、アルコールが触れると皮膚が赤くなり易い方は、手袋を使用しましょう。
スプレーノズルのついているものは対象物に対して20cmほど離して散布し、布片などで塗り広げます。散布量は最低でも消毒対象上で20秒は乾かない量を目安にしましょう。拭き布に浸す場合も、拭いてすぐに乾燥しない量(スプレーノズルの場合と同様)を滴下して塗り広げます。
塗り広げるときは、同じ所を往復させず、対象箇所全体が消毒液で濡れる様、一方向、またはジグザグで拭きましょう。
アルコール類を含む消毒薬を大量に使用する場合には吸入と引火に注意し、換気をしながらなるべく小範囲に区切って使用しましょう。乾燥後は空拭きをしないでください。
通常、床の消毒は必要ありません。樹脂製のフロアはアルコール、高濃度の次亜塩素酸ナトリウム製剤は床の材質を変質(主に白濁)させることがありますので使用する場合には注意が必要です。
使用する製品のラベルなどに記載されている注意事項をよく読んでから使用しましょう。
拭き布は再利用しなくても済むもの、たとえばペーパータオルなどが良いでしょう。清拭した後のワイプや拭布の廃棄は、マスクやティッシュを捨てる蓋つきのノンタッチ式のごみ箱に廃棄しましょう。ゴミ箱が常に使用できるように蓋の上に物を置かない様にしましょう。


関連情報

厚生労働省老健局
令和2年3月6日 事務連絡
市町村が措置を行う場合における新型コロナウイルスの感染拡大防止のための対応について
https://www.mhlw.go.jp/content/000605422.pdf

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